白木とチークのコントラスト。手で触れて汚れやすいアーム部分に濃い色目のチークを使用したという機能的な意図もあるでしょうが、視覚的にお互いを引き立たせる効果も大です。それは家具のパーツ同士の場合に限らずインテリア全体を考えた場合も然り。
それにしてもこのチークのアーム。ハンス・ウェグナーの「PEACOCK CHAIR」ですが、アーム先端を握って腕を置いた時に肘がちょうどアームの後ろ端に来るサイズ感と角度はよく考えられていますし、何よりその複雑にカーブした端のディテールが巧妙です。椅子自体は、よく解説されているように明らかに英国伝統のウィンザーチェアのスタイルを踏襲したものですが、このアームの構想と背のスピンドルの意匠によりウェグナー独自の椅子に変身をとげているように思えます。
JH550 -peacock chair/Hans.J.Wegner/ Johanes Hansen社1970’s/ SOLD OUT